親に介護が必要になったとき「親の介護をどこでするか」をまず決める必要があります。親が近くに住んでいれば、今までの生活を変えずに、介護を行えるかもしれません。ですが、親が遠方に住んでいて、自分は遠距離介護ができない場合はどうすれば良いのでしょうか?

遠距離介護には、交通費など費用がかかるという問題があります。また、たびたび仕事を休む必要があるので、遠距離介護は難しいかもしれません。遠距離介護ができない場合、親を呼び寄せて同居するか、あるいは近くに住んでもらうことができるかもしれません。ただし、親を呼び寄せる前に考えなければならないことがあります。それは「親の意志と介護者とその家族の意志」です。

本人の意志ですが、厚労省のデータによれば、自宅介護を希望する人が男女ともに70%以上を占めています。確かに、年を取るほど柔軟性がなくなるので、自分の慣れ親しんだ家から新しい環境へ移転するのは抵抗があるものです。友人も知人もいない知らない土地に引っ越すこと自体、高齢の親にとっては大きなストレスになります。環境の変化によるストレスで認知症を発症するお年寄りもいます。

また、同居の場合は、子供だけでなく、配偶者や孫の協力が不可欠になります。同居が原因で、家族がバラバラになってしまうケースもあります。こうしたことを考え、呼び寄せるのが最善か、呼び寄せる場合は同居するか、あるいは近所に住む場所を見つけるか決定します。親の意志を尊重しつつ、自分と家族の意志も大切にしましょう。